204、ウガリト文字の学習(6)

文字数 946文字

ウガリト文字の学習の続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
今日はウガリト文字の6番について見ていこう。6番の文字はフェニキア文字、ヘブライ文字の「ダレト」(扉)に対応している。
ウガリト文字の6番は4番の文字とよく似ています。4番が下に2つの三角形を組み合わせ、上にも三角と棒がある、まるで船のようです。
「ベート」(家)と「ダレト」(扉)の関係はフェニキア文字、ヘブライ文字の場合はどちらも下の線が1本なくなっている。「ベート」(家)と「ダレト」(扉)の関係は、「ダレト」(扉)というものは普通「ベート」(家)につけるものだから、「ダレト」の方が小さくなるはずだ。ところがウガリト文字の6番は下も上も三角の数が3つある、4番より数が増えているというのはどういうことだ?
そうですね。ウガリト文字の場合は4番より6番の方が三角の数が増えています。家よりも扉の方を大きく作るなんて普通はあり得ないことです。語学の天才のペドロ2世はこのことをどう説明しますか?
語学の天才ペドロ2世の出番だ。何?ウガリト文字では「ベート」(家)よりも「ダレト」(扉)の方が三角形の数が多くなっているだと・・・これは難しい・・・
扉というものを家についたものとして考えれば、家よりも必ず小さくなるはずです。でも扉を家についたものだけでなく、異なる世界に出て行く時に開けるもの、旅立ちを象徴するものとして考えれば、扉の方が家よりも大きくなるというのもありうると思います。住み慣れた場所を離れて知らない世界へ行くには勇気が必要です。でも思い切って扉を開けなければ先へは進めません。
なるほど、そういうことなのか。「ダレト」(扉)はそれを開けて新しい世界へと向かう象徴になっているから、「家」(ベート)よりも三角の数が増えて複雑になっているのである。
今日はもう1つ7番の文字も見てみよう。7番の文字はフェニキア文字、ヘブライ文字には対応していない。
7番の文字は他のウガリト文字とはかなり違います。大きな三角形が1つあり曲線が使われています。今まで線は必ず縦か横だったのが、7番では三角の方向と線の向きが斜めになっています。
7番は今までのウガリト文字の常識を覆しているのか。
でも全体として調和が取れている美しい文字だと思います。
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