50、ポエニ戦争(25)

文字数 1,651文字

アゲル・フレルヌスの戦いについての記述はまだまだ続きます。作品集には下の画像から入ってください。
ファビウスの石像ばかり出すのもどうかと思って、今回は地図です。
周辺の略奪を終えた後、ハンニバルは冬営はここでは行わず、アゲル・フレルヌスを離れることを決めた。他方ファビウスは十分な補給線を確保しており、彼の独裁官の任期が終わるか、あるいはカルタゴ軍が攻撃をしかけてくるまでじっと待つつもりであった。
え、ファビウスは独裁官の任期が終わってもいいから待つつもりだったのですか?
すでに略奪するものもなくなっており、ハンニバルは何時までも待っている訳には行かず、結局は補給不足が生じてきた。それでもファビウスのローマ軍はいかに挑発されようともカルタゴ軍を攻撃することはなかった。ハンニバルも、高地の防御された陣地に布陣しているローマ軍を攻撃して大損害を被るつもりはなかったため、にらみ合いは続いた。
ああー!じれったい!イライラする。
ペドロ2世、私達は実際に戦いに参加しているのではなく、ただ話を聞いているだけです。落ち着いてこの先の話を聞きましょう。
最終的にはカルタゴ軍は、平原に入る際に通過してきたカリキュラ山の峠に向かって東へと移動した。ファビウスはこの動きを予想しており、兵4,000でこの峠を封鎖し、主力軍は近くの丘に野営させた。ミヌシウスの軍もこれに合流した。
やっと動き出しましたね。
ハンニバルはこの罠から逃れるために慎重な準備を行ったが、それはローマ軍が期待した会戦を行うためではなかった。作戦実施の前日、兵には十分な食事を与え、また早く寝るように指示したが、かがり火は炊き続けた。
ハンニバルが何を考えているかまったくわかりません。
一方略奪してきた中から雄牛2,000頭を選び、非戦闘員2,000にこの雄牛を引かせ、この護衛のために兵2,000をつけた。乾燥した木材と薪が雄牛の角に括り付けられた。ハスドルバルという名前の補給将校(後のカンナエの戦いでは騎兵部隊を率いた)が、この雄牛部隊の作戦全体を監督した。
雄牛2,000頭はかなりの数ですよね。そんなにたくさんの雄牛を略奪して集められたのですか?
余が生きていた頃のアラゴンで雄牛を2,000頭集めようと思ったら、そうとう遠くまで探しに行かなければならない。
私の時代、アラゴンは連合王国で領土も広がりましたが、それでも雄牛を2,000頭集めるのは大変だと思います。
紀元前の時代からイタリアには村も都市もたくさんあり、家畜もたくさん飼っていて土地も豊かだったということか。だからこそローマのような巨大な帝国ができた。
準備が完了した後、雄牛部隊はローマ軍4,000が守る峠に向かった。しかし、ローマ軍と戦うことや峠を占領することが目的ではなかった。ファビウスの野営地の東側下方、峠の北西方向にカリキュラ山の尾根の鞍部があった。カルタゴ軍の槍兵にこの鞍部を奪取し、確保する役目が与えられた。
ハンニバルは象とか雄牛のような大きな動物を使うことが好きですね。私は大きな動物は嫌いです。鷹狩りで鷹が狙えるくらいの動物が好きです。
ファビウスのようにちびちびとせこい戦い方をするよりも、ハンニバルのようなスケールの大きな戦い方が余は好きだ。
なおアッピアノスの『ローマ史』には、この際にハンニバルは行軍の邪魔にならないように捕虜5,000を処刑したと記されているが、ポリュビオスとリヴィウスはそのような記録は残していない。
捕虜5,000を処刑したというのはかなり残酷で、このようなことをしたかどうかでハンニバルへの印象も変わってしまいます。
余は『ウエスカの鐘』の粛清でたくさんの貴族を処刑したがこんなにたくさんではない。
人間は宗教や言葉が同じ者に対してはその命を奪うことにためらいを感じるが、宗教や民族が違い、しかも大きな目的を持っているならば、敵を殺すのにためらうことはなく、残酷になってしまう。
僕が生きている時代も、当たり前のように異端審問や処刑が行われています。
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