209、ウガリト文字の学習(11)

文字数 1,114文字

ウガリト文字の学習についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ウガリト文字の11番から13番まで、もう1度詳しく見ていこう。
今までウガリト文字の三角形は必ず上から下、左から右を向いていた。でも11番や13番はそうではなくなっている。
十字のマークを作ろうとしたら、三角形の向きを変えた方が左右対称でバランスがよくなります。
それに11番の文字は下に逆向きの三角のような記号がある。三角に似ているけどへこんでいて変な感じだ。
ウガリト文字の11番は十字軍のマークに似ているけど、下の方に逆向きの三角ではない記号がついている。
十字架は普通木で作られているが、逆向きの三角ではない記号は木ではない別の素材を表しているのかもしれない。土、火、水、血・・・いろいろ考えられる。
ペドロ2世、それはもしかしたら・・・
11番のウガリト文字をそのように見れば、対応するフェニキア文字、ヘブライ文字の「ヘト」(柵)も違って見えるはずだ。
フェニキア文字の「ヘト」(柵)は完全に閉じていて逃げられないが、ヘブライ文字の「ヘト」(柵)は下が開いている。
ヘブライ文字は完全に閉じた形は少ないです。
ウガリト文字の13番は下の三角が取れて完全に十字架の形になっている。
13番に対応するフェニキア文字の「テト」(車輪)は完全に車輪の形をしていて、もう1つは丸の中に十字架が入っています。でもヘブライ文字の「テト」(車輪)は車輪とは全く似ていません。
そしてウガリト文字の13番は、ラテン文字の「T、t」とよく似た形をしています。13番の文字は十字架、運命の輪、つまり死の象徴となる文字ではないでしょうか。11番は13番の1歩手前、閉じ込められた状態です。
なんだか縁起の悪い文字だな。
でも十字架はキリスト教のシンボルです。昔、人間は互いに争い殺し合っていました。けれどもキリストは神の考えを理解し、人間が殺し合いをやめるために、自ら十字架にかかりました。最も残酷で苦痛に満ちた救いようのない死を体験した魂こそが天国へ行けると示したことで、悲惨な死に救いを与え、欲にまみれて殺し合いをすることの愚かさを人間に伝えようとしたのです。
でも人間は次第にキリストの教えを都合よく解釈するようになりました。十字軍、異教徒に対する迫害、宗教改革後の争い・・・すべて間違った解釈によるものだと思います。
なるほど、そういうことなのか。
ウガリト文字、フェニキア文字、ヘブライ文字、それぞれの文字が作られた時代、人々はその中での世界観があり、宗教、神を信じていました。紀元前の文字を知ることは当時の世界観を知ることでもあり、それによってキリスト教についても知ることができると思います。
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