201、ウガリト文字の学習(3)

文字数 1,069文字

ウガリト文字の学習の続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
今日はウガリト文字の3番の字を見ていこう。ウガリト文字の1番、2番、3番は全部フェニキア文字の「アレフ」(雄牛)に対応し、それぞれ「a」、「i」、「u」の発音を表している。
ウガリト文字の1番は敵がいなくて2人でのんびり歩いていたが、2番は長い槍を持って左から右へと進んでいる、そして3番は北の方角から3人の兵士が長い槍を持って攻めてきたのを、1人の兵士が長い槍で受け止めて防いでいる。
ペドロ2世とヴェンツェルがウガリト文字も兵士と槍に例えるのでそう見えてしまうのですが、本当にウガリト文字の三角形は右、または下を向いているのでしょうか?
多少の例外はあるが、ウガリト文字はほとんど三角形は右、あるいは下向きになっていて、短い棒は向いた先から出ている。
ウガリト文字もまた兵士と槍で説明できると考えた余の直感は正しかった。
どうしてウガリト文字の短い棒は必ず三角形の向いた方角から出ているのでしょうか?
長い槍を持った兵士は普通はその槍を前に向け、そろって真っすぐ前に向って進んで行く。1人だけ後ろに向かうということは絶対にない。
3番のウガリト文字は3人の兵士が長い槍を持って北から攻めてきているのを1人の兵士が防いでいる。
確かにそうだ。3番のウガリト文字は3人の敵に対してたった1人で戦っている。自分の身を犠牲にして国を守る、「u」という発音はそれほどの犠牲を払っているのか。
あの、三角形が上にあって下向きの時は兵士と長槍ではなく、上から神の恵みが降りてくると考えてはどうでしょうか?雨とか太陽の光とか、上からの神の恵みを人間が受け止めている、古代の人間はきっと太陽や雨を見て神を感じていたと思います。
神の恵みか。その方が解釈しやすいのならそれでもよい。
ウガリト文字の1番と2番では人間はそのまま、あるいは槍を持って横に進んでいました。でも3番の場合は神の恵み、雨などを動くのではなくその場所で受け止めています。文明が発達するためには移動することとその場でじっとして神の恵みを受けて作物を作ること、両方が必要です。ウガリト文字は人間の移動や戦いの歴史だけでなく、神の恵みを受けて文明を発達させた歴史も込められているように思うのです。神は差別をして選ばれた特別な者にだけ恵みを与えるのではない、全ての人間、そして生き物に平等に恵みを与えていた、そのような世界観が古代にはあったと思うのです。
なるほど、文字からそのような古代の人間の世界観まで読み取れるのか。余は今の言葉に深く感動した。
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