136、アラビア文字(14)

文字数 922文字

アラビア文字についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今日はアラビア文字のラームを見ていこう。ラームはフェニキア文字、ヘブライ文字のラメド(突き棒)に対応している。
余はラメドという文字が大好きである。突き棒らしく鋭くとがっていて、ラメドという発音も武器を持った者にふさわしい。
全くペドロ2世は朝から晩までずっと戦いのことばかり考えていたのですか?
いや、夕方になると今夜はどの女の部屋に通うか考えていた。王妃は気に入らなかったが、侍女の中に余を慕う女がたくさんいたから不自由はしなかった。
全くペドロ2世もブルゴーニュと名の付く者と同じで、ロクなことしてないですね。
フェニキア文字のラメドは突き棒という形だけど、ヘブライ文字のラメドはかなり曲がっています。
アラビア文字のラームの独立形はアルファベットのJによく似ている。
アラビア文字ラームの語頭は独立形とあんまり似ていないですね。
アラビア文字ラームの兵は隣と手を繋がなければいけないという大事な使命がある。手を繋ぐためにも曲がっている部分をまっすぐに伸ばした。
でも、独立形と似た形にするには、途中で少し曲がった方がいいのではありませんか?
アラビア文字というのは余と同じようにせっかちな人間が考えている。王妃ではない他の女の部屋に行く時は、途中で迷ったり曲がったりしたら見つかりやすい。当たり前のようにどうどうと真っすぐに歩けば、誰も怪しまない。
なるほど、余は大事なところで迷ってばかりいたから、それで余計に失敗ばかりしたのだな。
アラビア文字ラームの連結形の語中も本当にペドロ2世好みですね。真っすぐ進んで迷いがない、他の人に理解してもらえるかどうかよりもまずは行きたい方向へ行く、ペドロ2世にそっくりです。
そうだろう。アラビア文字は余の生き方を真似して作られたのか?
順番が逆です。アラビア文字ができたのはペドロ2世が生まれた時よりずっと前です。
アラビア文字のラームは語尾は独立形に近い形になっていますね。
アラビア文字は連結形になっても語尾、最後は独立形を思い出してそれに近い形になります。でもペドロ2世は最後まで自分が王であることを忘れていて突撃し、戦死してしまった、困った祖先です。
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