102、ヘブライ文字と発音記号(12)

文字数 1,161文字

アラゴン王ペドロ2世と言えば、勇猛果敢な戦いをしたレコンキスタの英雄ということで名前が知られているであろう。だが最近余は戦いだけでなく語学に関しても天才であると目覚めてしまった。
ちょっと待ってください、ペドロ2世。最初からいきなりどうしたのですか?
前回我々の文字の学習はクフ(針穴)で終わってしまった。余はこれが長い旅の最後の戦いになると信じて、クフ(針穴)という最小の武器を使ってしまった。ヴェンツェル、そして読者諸君、クフの次にどんな文字がきていたか考えて欲しい。
私達はこの答え知っていますよ。今までに何度もフェニキア文字とヘブライ文字を見ているのですから。
これは難しい。針穴より小さいものがこの世に存在するのだろうか?
ではヒントを出そう。ここにいるラミロ2世、ペドロ2世、フアン1世、ヴェンツェル、4人の共通点はなんだ?
亡霊ということか?
亡霊ではない。レイだ!
日本語の亡霊と霊の違いはよくわからない。
ヴェンツェル、ペドロ2世が言っているのはスペイン語のreyだと思います。
余はスペイン語など知らぬ。
reyはスペイン語で王を意味する重要な言葉だ。日本人はレイの発音で漢字の霊を思い浮かべてしまうかもしれないが、これからはレイと聞いたら我々のような王を思い浮かべて欲しい。
わかった。スペイン語では王のことをreyと言うのだな。
今日はペドロ2世の前置きが随分長いですね。
待て待て、話はまだ終わっていない。クフ(針穴)の次にくる文字は、もし、その文字がなかったならば世界の歴史が大きく変わったという重要な文字だ。そしてハンニバル・バルカやハミルカル・バルカなどの名前にもその文字は使われている。
余はその頃の話にはまだ参加していない。
もう答えを言ってもいいのではないですか?クフ(針穴)の次にくる文字はレーシュ(頭)です。
最小の武器クフ(針穴)を使ってしまった我々は途方にくれてしまった。それ以上小さな物はどこを探しても見つからない。仕方がないので知恵を意味するレーシュ(頭)を呼び出した。
なるほど、困った時はレーシュ(頭)に考えてもらえばいいのか。ペドロ2世は本当に頭がいい。それでクフ(針穴)の次の文字はどうなった。
クフ(針穴)の次には出て来たレーシュ(頭)がそのまま文字としてとどまった。レーシュのrはreyにも使われる極めて重要な文字だ。
フェニキア文字のレーシュは形が旗にも似ている。
そう、戦場で旗を持って兵を導く我々王のイメージだ。
遅くなりましたが、ここで画像を出しますので、作品集には下の画像から入ってください。
今日は思いがけない話が色々出て学習は進まなかったが、フェリペよ、発音記号を言ってまとめてくれ。
レーシュの発音記号はrのレーシュにエの長母音ツェレー・マレー、そしてシン(歯)の文字で子音で終わっています。
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