219、ウガリト文字の学習(21)

文字数 948文字

ウガリト文字の学習についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今日はウガリト文字の25番について見ていこう。25番の文字は「ツァディ」(パピルス)に対応している。
25番のウガリト文字は24番の文字「ペー」(口)を縦にしただけだから簡単だ。
24番の「ペー」(口)と25番の「ツァディ」(パピルス)には何か関係があるのでしょうか?
神官が神の言葉を口から出しても、そのままではすぐに消えてなくなってしまう。だがそれをパピルスに書いていくことで後の時代にも伝えられる。25番のウガリト文字はペンのようにも見える。
粘土板やパピルスなど文字を書き記す物があって、言葉は正確に後の時代まで伝えることができます。
だが、ヘブライ語で「ツァディ」(パピルス)を使った言葉には「ツェル」(影)、「フーツ」(外)などの言葉があった。そうだ、余の名前「ヴェンツェル」にも「ツェル」(影)の文字が入っていた。余は影を持つ呪われた者だったのか。
確かにヴェンツェルは聖職者を拷問して殺すとか罪深いことをしていますね。
影と闇は違います。闇は全く光の無い状態、でも影は光が当たっているからこそできるのです。パピルスや粘土板に文字が書かれたり刻まれたりすることで、遠い昔の出来事もはっきりとわかります。よいことと悪いこと、生前に行った全てのこと、光と影が書かれたパピルスを最後の審判の時神に見せなければなりません。
どうしよう・・・余は生きている時に悪いことばかりしてきた。余のパピルスは悪い行いばかりで真っ黒になっている。
大丈夫です。ヴェンツェルの生涯の中で影が目立つのはそれだけ強い光の時代、争いの激しい時代に生きたからです。誰かが神の言葉を聞いたと言い出せば、周りの者は彼こそが神に近い光であると勘違いをして眩しい光の中で多くの過ちを犯します。ヴェンツェルはそのような時代に生きていたのです。
ウガリト文字の24番から25番、三角と棒の向きが横から縦に変わっただけで随分怖ろしいことになっているではないか。
口からの言葉は繰り返し聞いて伝えることはできてもなかなか正確には伝わりません。それに比べて文字として残された言葉は、ずっと後の時代にまで残ります。でもその言葉が本当に正しいのか、よく考えなければいけないと思います。
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