206、ウガリト文字の学習(8)

文字数 951文字

ウガリト文字の学習についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今日はウガリト文字で9番の字を見ていこう。9番の文字はフェニキア文字、ヘブライ文字では「ワウ」(鉤)に対応する。
ウガリト文字の9番は1番の文字にも似ているけど、三角の数が増えていますね。
楔型文字というのは植物の茎を粘土板に押し付けて書くから、三角の1つを1つの線と考えればよい。そして向きを変えるとどうなる?
ペドロ2世師匠!ウガリト文字9番を線と考えて向きを変えれば、フェニキア文字の「ワウ」(鉤)によく似た形になる。
ウガリト文字は三角になっているから複雑に見えるが、線として見るとフェニキア文字やヘブライ文字、そしてギリシャ文字によく似ている。
「ワウ」(鉤)というものが余にはよくわからない。
鉤とはこのようなもので、船を繋ぎ止めたりするのに使うものです。
船はラクダのように夜中に逃げてしまうものか?
いえ、船は逃げたりはしませんが、そのままにしておくと流されることがあります。
少しの工夫で人間の生活は便利になっている。
フェニキアもウガリトも地中海沿岸の都市国家として栄えました。海に出て交易を行うためには船を繋ぎ止めておくものが必要になります。
172、ヘブライ語の子音のところに「ワウ」(鉤)を使う言葉がいくつか出てきた。ダヴィデは扉から出て鉤を使ってまた扉を開けて帰ってきた人だった。そしてヘブライ語の「グーフ」は「体」という意味だったが、「ワウ」は母音記号として使われ、「ギメル」(ラクダ)だけが残っていた。
あの時は「ワウ」(鉤)は母音記号として考えていたが、「グーフ」(体)と「ワウ」(鉤)は・・・そうか、そういうことか・・・「グーフ」(体)というものは魂を繋ぎ止めるのに重要な役割を持っている。我々亡霊は肉体を持っていないから、常に流されさ迷う危険がある。魂や亡霊が迷わずに同じ場所にいるためには、しっかりとした肉体を持つ人間が必要になってくる。
それ、モンソン城に行く時に言われました。亡霊だけだと迷ったり消えてしまう危険があるから人間が必要だと。そして「ワウ」(鉤)は港に船を繋ぎ、魂を肉体に繋いでおく大切なものだったのですね。
ウガリト文字で三角を4つ組み合わせただけに見える文字に、それほど深い意味があったのか・・・
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