232、ポエニ戦争(87)

文字数 845文字

第二次カプア包囲戦についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ハンニバルはカプア城内に入城できず、膠着状態に陥ったことに不満であった。会戦を避けて防御戦術に徹底したローマ軍に関して、ポリビュウスはその理由を騎兵の劣勢にあったとしている。ローマ軍騎兵は野戦ではカルタゴ軍騎兵に対抗できないため、その野営地に留まることを好み、他方カルタゴ軍は周辺からの食料調達が出来ないため長期間の滞陣ができなかった。
やっぱり食料の問題が重要になってくるのですね。
ハンニバルは別のローマ軍の到着により補給が遮断されることを恐れ、また強力な攻撃によっても封鎖を解くのは困難と考えた。解決策として、ハンニバルは急ぎ移動してローマそのものを攻撃し、市民に混乱を生じさせ、カプアのローマ軍が救援のために戻らざるを得ない状況を作ることを計画した。その場合、カプアのローマ軍はほとんどがローマに向かうであろうから、残留している軍を打ち破るのは容易になる。
ハンニバルもいろいろよく考えていますね。
熟考の末、ハンニバルはリュビア人の連絡者をローマ軍の包囲するカプアに送り込んだ。ハンニバルがローマに向った場合、カプアが見捨てられたと考えて降伏するのを避けるためであった。カプアの市民が包囲戦に耐え続けるよう、手紙にカプアを離れる理由を書き送った。手紙の内容は、カプアを離れるのはカプアを救うためであり、ローマ軍は必ず彼を追うであろうから、数日後にはカプアの包囲は解かれるであろう、というものであった。
この場合手紙は何語で書かれるのだろうか。
ラテン語だと思います。ハンニバルもカプア人も共通語としてのラテン語をある程度は知っていたのではないでしょうか。
ヴォルトゥルヌス川のボートを捕獲し、ハンニバルは軍に出発を命じた。ボートの数は十分であり、一夜の間に渡河は完了したが、これはカプアに到着して5日後のことであった。ハンニバルは幕僚と夕食をとり、夜明け前に渡河を行った。
こうしてハンニバルはカプアを離れてしまうのですね。
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