64、ポエニ戦争(34)

文字数 1,445文字

ゲロニウムの戦いについての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
丘の上のカルタゴ軍を見たミヌキウスは、これを駆逐するためにウェリテス(軽装の散兵)を送った。ハンニバルは、戦闘が膠着状態になる程度に、丘の上の兵力を増強した。このため、ミヌキウスはローマと同盟国騎兵を丘の上に派遣し、これに対してハンニバルのヌミディア騎兵が反撃してきたが、これもまた膠着状態に陥った。
なんかミヌキウスは見事なぐらいハンニバルの罠にはまっていますね。
フアン1世は戦争に行ったこともないくせに、ミヌキウスの批判ばかりしている。
私は直接戦場に行って戦ったことはありませんが、話を聞いていてパターンはわかってきました。ファビウスもミヌキウスも鍛え抜かれたローマ軍で長年自身も訓練を重ね、激しい競争の中で選ばれて指揮官になっているはずです。それがどうしてハンニバルの罠にひっかかってしまうのでしょう?
それは・・・ハンニバルが今までにない独創的な戦略を使っているからだ。
ローマ軍はよく訓練されているから、普通の敵ならば簡単に倒せたと思います。でもハンニバルは独創的で次々と戦略を考え、またカルタゴ軍は人数も多くよく訓練されていた、だからローマ軍は翻弄されたのだと思います。
騎兵を戦闘に投入したため、ミヌキウスは戦場を偵察する手段を失い、ハンニバルの罠も見抜くことができなかった。丘の上での小競り合いがしばらく続いたが、ローマ騎兵は次第にカルタゴ騎兵に押され始めた。
ハンニバルのような敵と戦う時は、どこに兵を隠しているかわからないから、常に偵察を行えるように騎兵を残した方がいいですね。
この状況を見たミヌキウスは隷下の4個軍団に対して丘に向って進軍するように命じた。ハンニバルは丘の裏側にも歩兵を隠していたが、ローマ軍が前進を開始するとカルタゴ兵もローマ軍に向った。部隊投入の順序、タイミングは全てハンニバルによって調整されており、ローマ軍に戦場を偵察したり全体を検討したりする時間を与えなかった。これを見ていたファビウスは、兵に戦闘準備をさせたが、まだ動かなかった。
ミヌキウスはだめですね。完全にハンニバルの思い通りになってしまっています。それに比べてファビウスは忍耐強いです。
ミヌキウスが率いるローマ歩兵が丘を登り始めた頃、ローマ騎兵は撃破されてばらばらになってしまった。ローマの軽歩兵も既に押されていたが、これも撃破されて登って来る軍団兵の中に押し込まれてしまった。このためローマ軍の陣形は乱れてしまい、再度陣形が整う前に、くぼ地に隠れていたカルタゴ兵が姿を現し、ローマ軍戦列の側面と背後から攻撃を開始した。
なんでミヌキウスはハンニバルの罠に気づかず、やられっぱなしになってしまうのですか。もう少ししっかりしてください。背面から襲うハンニバルの作戦も卑怯ですけど・・・
ハンニバルとその歩兵部隊も、ミヌキウスが奇襲のショックから立ち直る前に、正面からの攻撃を開始した。全方向からの攻撃を受け、ローマ軍の陣形は崩れ、あるものは逃亡、あるものは降伏、あるものは生きるために戦っていた。ローマ軍に再び惨劇が迫っていた。
ローマ軍は大変なことになってしまいましたね。
フアン1世!気楽な事言ってないで真面目に考えろ!ファビウスはどうした?ファビウスはどこに行った?
どうせ私は不真面目王です。でもファビウスがなんとかしてくれるのではないですか?
ミヌキウスはハンニバルの罠にかかり、ローマ軍はまた大変な状況になってしまいました。
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