192、ヘブライ語の母音(8)

文字数 989文字

ヘブライ語の母音についての続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
今日はヘブライ語の「ウ」の長母音「シュルック」と「ウ」の短母音「クブツ」について見ていこう。
「ウ」の母音記号は種類も少なく名前も短いです。
「ウ」なんてそもそも口を小さくすぼめて発音するから、最短なんて無理である。長母音と短母音の区別だけで十分だろう。
今までの母音「ア」「エ」「イ」「オ」はみんな口の形をはっきりさせて外側に向って発音していました。でも「ウ」だけは口の開け方も小さくてまるで自分に向ってつぶやいているよう、だから母音記号も少ないのだと思います。
「ウ」の長母音の母音記号「シュルック」は「ヴァヴ」(鉤)の文字の中に点がついた記号を使っている。
「シュルック」で使われている文字は「シン」(歯)、「レーシュ」(頭)、「クフ」(針穴)です。
「クフ」(針穴)のような小さな字を見ていたら「レーシュ」(頭)が痛くなり、「シン」(歯)を食いしばっていた。余はこういう細かい作業は苦手だ。
余も同じだ。細かい作業をしているとイライラしてくる。
でも「シュルック」は「ウ」の母音記号にはふさわしい名前かもしれません。「ウ」は他の母音のように大きな声で人に話すというよりもまずは自分の中で繰り返しこれでいいか確認しているような母音です。細かいことに気を配り歯の間をすり抜ける音にも神経を使って発音し、その効果を頭に入れていくのが「ウ」の母音です。繊細で芸術家には欠かせない母音です。私、フアン1世の名前にも「ウ」の音は入っています。
余の名前ペドロ2世には「ウ」の母音など1つも入っていない。
だからよく考えないで突進するのです。
「ウ」の短母音の記号は「クブツ」といい、斜めの3つの点で表している。
「クブツ」は今までにない珍しい並び方をしている。
「クブツ」に使われている文字は「クフ」(針穴)、「ベート」(家)、「ツァディ」(パピルス)です。
「ベート」(家)の中で「ツァディ」(パピルス)に書かれた「クフ」(針穴)のような小さな文字を見ているのか。余にはこんな面倒な仕事はできない。
余も同じだ。
でも昔の人の細かい作業があって文字を書き写したからこそ、昔の人の思想が私達にも伝わり、そして次の世代にも繋がっているのです。文字があるから遠く離れた場所、遠く離れた時代の人々の生活がよくわかり、思想を再現することができるのです。
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