84、ポエニ戦争(44)

文字数 1,065文字

いよいよデルトサの戦いが始まる。余はこういう話が大好きだ。
作品集は下の画像から入ってください。
ハスドルバルはカンナエの戦いと同様な両翼包囲作戦を計画した。即ち、ローマ軍を中央で突出させ、これを左右から狭撃する予定であった。
こんな昔から作戦を考えて計画的に戦っているのか。
ポエニ戦争は紀元前の戦いですが、ローマもカルタゴも本当によく作戦を考えていますし、軍隊も訓練されています。
ハスドルバルはイベリア半島にいたからカンナエの戦いには直接参加はしていないはずだ。それでも戦闘の様子は詳しく伝えられ、同じ作戦を展開しようとしたわけか。
戦闘はカルタゴ軍投石兵とローマ軍軽歩兵(ウェリテス)の小競り合いによって開始され、続いて中央部のローマ軍団兵が、対峙するイベリア歩兵に向って突撃した。
ちょっと待ってくれ、イベリア歩兵というのはどっち側だ?
イベリア半島は当時ほとんどがカルタゴの領土になっていましたので当然カルタゴ側です。
ローマ歩兵は兵力10,000とイベリア歩兵の8,000に対して数的に勝るだけでなく、イベリア歩兵の戦列は薄かったため、容易にイベリア兵を圧倒した。しかしハスドルバルにとってはこれは予定通りであった。支援のため、ローマ同盟国歩兵が対峙するリビア兵ファランクスに接近した。
同じ国の兵士ばかりではないのに、どちらもよく統制がとれているではないか。
訓練がしっかりされているからでしょう。私は実際に戦場に行くことはなかったので、どのような状況になるのかよくわからないのですけど・・・
リビア兵ファランクスと傭兵部隊は、対峙するローマ同盟国歩兵に対する突撃を開始した。
ファランクスというのは前にも出てきたが、なんだっけ?
ファランクスというのは古代において用いられた重装歩兵による密集陣形のことである。アレクサンドロス大王の父フィリッポス2世は6メートルの長槍を持った改良型のファランクスで戦った。
そんな長い槍を持った集団が向かってくるなんて考えただけでも怖ろしい。私は平和な時代に生まれてよかったです。
フアン1世の生きた14世紀後半は各国で王位を巡る争いがあって、平和な時代ではないです。
同盟国軍が数的に勝っていたにも関わらず(18,000対16,000)同盟国歩兵は押し込まれた。しかしカンナエの戦いとは違い、リビア兵は同盟国軍戦列を突破して中央のローマ軍団側面を攻撃することはできなかった。
惜しい、もう少しだったのに・・・
同じ作戦を使っても、同じようにうまくいくわけではないのですね。
デルトサの戦いについてはもう少し続きます。
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