55、ヘブライ文字の特徴(2)

文字数 1,369文字

前回、ヘブライ文字の特徴についていろいろ意見が出ていたが、今回はさらに詳しくそれぞれの文字を見ていこう。
作品集のページには下の画像から入ってください。
まずはアレフという文字について、フェニキア文字とヘブライ文字、それぞれ感じたことを言ってみてくれ。
フェニキア文字のアレフはちょうど雄牛を上から見た感じです。でもヘブライ文字のアレフはあんまり牛らしくないです。
ハンニバルの雄牛2000頭を使っての作戦の時、ちょうどこのヘブライ文字のようになっていたかもしれません。
じっとしているのではなく、走っている牛ということか。
ハンニバルは本当に酷いです。広い牧場でのんびり暮らしていた牛を手あたり次第略奪して、夜中に2000頭も角に松明をつけて走らせた、かわいそうな牛は互いに衝突したり山の斜面で足を滑らせたりしてその多くが命を落としたでしょう。牛が驚いて走っている姿がヘブライ文字のアレフです。
そう言われればヘブライ文字のアレフは走っている牛に見えなくもないが、フアン1世はハンニバルに対して厳し過ぎる気がする。
私はハンニバルは嫌いです。象にアルプスを越えさせたり、牛2000頭を暗い中無理やり走らせたり、動物に対する虐待です。
ハンニバルに対する意見はそれぐらいにして、フェニキア文字とヘブライ文字を比べての印象を話してくれ。
ヴェートは比較するフェニキア文字がないので何とも言えないのですが、ベートのヘブライ文字は3辺が囲ってあって家にも見えます。
ヴェートもベートも形はよく似ていて、下の辺が少し出ています。そしてベートは真ん中に点があります。おそらくこのちょっとはみ出ていたり、真ん中に点があるかどうかで他の文字と区別しているのだと思います。
余はこういう間違い探しみたいな細かい違いを見つけるということは嫌いだ!
ギメルはフェニキア文字もヘブライ文字もわかりにくいです。
フェニキア文字のギメルの足は1本だけどヘブライ文字のギメルは2本足です。
だから何だ!ラクダの足は普通4本だろう。ヘブライ文字のアレフは牛が走っているところだとか、ヘブライ文字のギメルは足が2本あるとか、さっきからフアン1世はおかしなことばかり言っている。
確かにおかしなことも言っているが、フェニキア文字のギメル(ラクダ)は足が1本でヘブライ文字の場合は足が2本あると覚えれば間違えない。
それからベート(家)、ダレト(扉)、ヘー(窓)はどれも家に関係ある言葉です。フェニキア文字はそれぞれの形を表現していますが、ヘブライ文字はベートが家の完成型で、ベート(家)の一部であるダレト(扉)やヘー(窓)の文字はちょっとずつ欠けたところがあります。
ヘブライ文字は完全に包囲するのを嫌ってどこか出口を作っているが、さらにダレト(扉)やヘー(窓)の文字の場合は包囲をする途中で隙間がいっぱいある。
ペドロ2世はすごいですね。ヘブライ文字を見て敵を包囲する方法を考えている。
余は常に戦いのことだけを考えて生きてきた。
ペドロ2世は余の兄上アルフォンソ1世によく似ている。
文字を見てイメージするものは、それぞれの人生経験によって全く違うようだが、それでもフェニキア文字とヘブライ文字の違いが少しずつわかってきたのではないかと思う。
次回はまた違う文字でフェニキア文字とヘブライ文字の違いを調べてみます。
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