65、ポエニ戦争(35)

文字数 1,153文字

ゲロニウムの戦いの続きです。作品集には下の画像から入ってください。
ファビウスは隷下の4個軍団を率いて戦闘に参加するために前進を開始した。ミヌキウス軍からの逃亡兵が彼の軍団の側面に整列しはじめた。ミヌキウスとファビウスの間のカルタゴ軍は撤退したため、ミヌキウスと生き残った兵士たちは後退し、ファビウスの無傷の軍団の側面に集合することができた。
ファビウスがやっと動き出したというわけか。
ファビウスはやっぱり賢いです。ミヌキウスだけだったらローマ軍は全滅していた可能性があります。
ハンニバルの天才的才能を見ていたファビウスは、自身の軍団を戦闘に投入することをためらった。両軍は再度集合し戦闘隊形を取りつつあったが、いくつかの小競り合いの後、皮肉なことにハンニバルの方が先に軍を引いた。ファビウスも撤退し戦闘は終了した。
え、ハンニバルが先に軍を引いてしまったのですか?
これから本格的な戦いが始まるという時に、どうしてハンニバルは軍を引いたのだ?余には全く理解できない。
おそらくハンニバルは依然として数に勝るローマ軍との戦闘は望まなかった思われる。ローマ軍の半数は無傷であったのに対し、カルタゴ軍は既に戦闘で疲弊していた。
ハンニバルもまたファビウスに負けないくらい慎重で用心深いところもあったのですね。
ローマ軍が大敗したとは言え、戦略的に見た場合、ハンニバルにとってのパワーバランスは大きく変わったわけでなかった。カルタゴ軍がゲロニウムで冬営している間、ローマ軍は新たな軍団を編成することができた。
ローマは戦闘で兵や指揮官を失っても、すぐに補充できるということがすごいですね。
他方、ハンニバルにとっては、戦闘に敗れることはその場で戦争に負けることを意味した。カルタゴ軍はローマ軍に多大な損害を与えたが、ファビウスの迅速な行動がローマ軍の再度の壊滅を防いだ。ハンニバルはギャンブルは避けて、兵を失うことを慎み、この成功を確実なものとすることを選んだ。
結局ハンニバルは本国カルタゴやヒスパニアからの援軍が期待できないから兵を失いたくはなかったということですね。
敗戦の後ミヌキウスは最高司令官の地位をファビウスに返上し、自身は副官に戻った。ローマ、カルタゴ両軍ともに冬営に入り、冬の間に大きな戦闘はなかった。
自分の負けを素直に認め、最高司令官の地位をファビウスに返上したミヌキウスは立派だと思います。
なんだ、つまらない。これでまたファビウスのダラダラとした持久戦が続くのか?
紀元前217年12月にファビウスの独裁官の任期は完了し、執政官ルキウス・アエミリウス・パウッルスとガイウス・テレンティウス・ウァッロに軍の指揮が委ねられた。両軍共に紀元前216年6月まではゲロニウムに留まり、その後ハンニバルはカンナエへと向かった。
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