200、ウガリト文字の学習(2)

文字数 915文字

ウガリト文字の学習の続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
ウガリト文字の1番から、フェニキア文字、ヘブライ文字と比べて見てみよう。
ウガリト文字の1番はフェニキア文字の「アレフ」(雄牛)にも似ているが、向きが逆で2頭の雄牛が左から右に向って進んでいる。
もしかして、ウガリト文字の三角形はみんな右を向いているのですか?
その通りである。ウガリト文字の三角形は右、あるいは下の方向を向いている。
ウガリト人は規則正しい民族で並ぶ時はみんな同じ方角を向くようだ。このような性格は軍隊に向いている。
ペドロ2世、これはウガリト人の並び方ではなくて、粘土板に押された文字の話です。三角形の向きが別々の方向になっていたらゴチャゴチャしてわかりにくいから、予めルールを決めて文字を作ったのだと思います。ウガリト文字は左から右に向って書く、というよりも文字を押していたので、必ず進むべき方向、右側に三角形も向いているのでしょう。
確かにそうだ。軍隊で並ぶ時、必ず進むべき方をみんな向いて並んでいる。
次に2番のウガリト文字を見てみよう。2番の文字もフェニキア文字やヘブライ文字では「アレフ」(雄牛)に対応しているが、発音は「i」になる。
フェニキア文字やヘブライ文字では文字はほとんど子音を表して、ヘブライ文字は小さな点の母音記号で母音を区別していましたが、ウガリト文字の場合は母音を表す字もあったのですね。
ウガリト文字の2番は余が好きな文字だ。長い槍を持った兵士が3人、真っすぐ前に向って進んでいる。途中に1人、敵なのか味方なのかよくわからない兵士がいるが、それもよかろう。
1番のウガリト文字に比べて2番のウガリト文字は兵士の数が増え、全員が体よりも大きい長い槍を持っている。戦況は厳しくなっているのか。
きっとそうに違いない。長槍を前に出して陣形を崩さずにピッタリとくっついていなければ進めない厳しい状況になってきている。下にいる1人は敵かもしれない。敵に邪魔される中でも真っすぐに進まなければならない。「i」の発音はそんな厳しい状況の中で絞り出された言葉だ。
三角と棒が並んだ楔形文字を見てこれだけ話が作れるペドロ2世とヴェンツェルはすごいと思います。
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