214、ウガリト文字の学習(16)

文字数 979文字

ウガリト文字の学習についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今日はウガリト文字の19番を見ていこう。19番の文字はフェニキア文字、ヘブライ文字の「ヌン」(魚)に対応している。
ウガリト文字の19番は三角が3つ並んでいて、ちょうど小さな魚が3匹並んで泳いでいるように見える。これぐらいわかりやすい文字ならば余でも簡単に覚えられる。
そうですね。フェニキア文字やヘブライ文字の「ヌン」(魚)の時は、Nを逆さまにしているとか、魚が泳いだ跡だとか魚の鱗とかいろいろ無理してこじつけていましたが、ウガリト文字の19番は魚が泳いでいるとすぐにわかります。
ウガリト文字の19番は魚の鱗のようにも見える。三角形と棒線だけでいろいろな形を表現できるのだから、文字というのは本当に奥深い。
「ヌン」(魚)は「メム」(水)のすぐ後に出てきますね。やっぱり魚は水のあるところにしか生息できないからですか?
不真面目王フアン1世は当たり前のことばかり言うから面白くない。
でも、フェニキア文字やヘブライ文字、ウガリト文字だけでなくアラビア文字やラテン文字など僕達が習った文字はみな「メム」(水)のすぐ後に「ヌン」(魚)が出てきます。これはどこの国、どこの民族でも水と魚は関係が深く大切なものだからだと思います。
水が大事だということはわかるが、魚は別に食べなくても生きていける。
魚をほとんど食べない国もありますが、場所によって魚は重要な食料になり、富や財産の象徴にもなっています。ヘブライ語で「ヌン」(魚)を使う言葉に「ナヴィー」(預言者)というのがありました。
ヘブライ語でなぜ「ナヴィー」(預言者)ということばに「ヌン」(魚)がついているのか、余に説明させてくれ。預言者は自然の中、天体の動き、魚のような小さな生き物の動きから天変地異を予測してそれを人々に伝えていた。自然の小さな変化も見逃さずに災害を予測することが出来る者、それが預言者だ。
ヘブライ語でもう1つ、「ヌン」(魚)を使った言葉に「ベン」(息子)というのがありました。たくさんの群れで泳いでいる魚を見て子孫繁栄をイメージしたのでしょう。
私の子は幼い頃に次々と亡くなり、生き残ったのは娘だけでした。アラゴンの王位は弟のマルティンが継ぎましたが、その後直系で継ぐ者がいなくなったのです。跡継ぎは王国にとって重要な問題です。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色