109、アラビア文字(3)

文字数 1,024文字

アラビア文字についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今回はアラビア文字のターとサーの字を見てみよう。どちらもフェニキア文字、ヘブライ文字のタウ(印)にあたる。
フェニキア文字とヘブライ文字ではタウ(印)は最後の文字でしたが、アラビア文字では先に出てくるのですね。
印と言えば金印勅書。父上カール4世の出したものが有名だ。
文字が作られたのは紀元前、カール4世の金印勅書とは時代が全然違います。
そんなことはわかっている。ただ金印勅書という言葉を出して自慢したいだけだ。
アラビア文字のターとサーは形がよく似ています。
アラビア文字のターは皿の上にだんごが2つのっていて、サーは3つのっている。
ヴェンツェルよ、余の弟子になった以上、皿やだんごを例えに使うことは許さぬ。
はい、師匠、アラビア文字のターの独立形は兵士の前に2人の司令官が立っていて、サーは兵士の前に3人の司令官が立っている。
いつまで兵士と司令官に例えるつもりですか?
ずっとだ。世界中の全ての文字は兵士と司令官に置き換えて考えられる。アラビア文字ターはtの発音で司令官は2人いる。語頭では2人の司令官がいる場所から並び始め、語中では出っ張る位置に司令官が立っている。そして語尾では2箇所曲がる場所があるから、両方が見える真ん中の位置に司令官は立っている。
相変わらずアラビア文字の司令官は慈悲深く思いやりに満ちている。兵士が迷わないように常に少し離れた最適な場所に立っている。
あの、アラビア文字は隣と手をつないで、目印の人が立っていると言いたいのならば、無理に兵士と司令官に例えないで、子供と先生にしたらいいと思います。小さな子供が手をつないで並んでいて、先生がちょうどいい場所に立っているとしたらどうでしょうか。
余は勇猛果敢なことで知られるアラゴン王ペドロ2世だ。小さな子供や先生をたとえ話に使うのはプライドが許さない。
まあ、どっちでもいいですけど。
サーはthの発音で、語頭の時は3人の司令官のいる位置から兵士が並び始め、語中は出っ張る位置に3人の司令官が立っている。そして語尾は曲がる場所2か所の中央に司令官が立っている。
あの、司令官が2人、3人いるならば、それぞれ別の曲がるところに立ってもいいと思います。
よい質問だが、司令官はまとまって同じ形になる義務がある。バラバラになってしまったら、別の文字と見分けがつかなくなるからだ。
文字というものは本当に奥が深い。感動することばかりだ。
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