207、ウガリト文字の学習(9)

文字数 1,091文字

ウガリト文字の学習の続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
今日はウガリト文字の10番について見ていこう。10番の文字はフェニキア文字、ヘブライ文字の「ザイン」(武器)に対応する。
前にヘブライ語の子音について学んだ時、「ザイン」(武器)を使った言葉に「ザハヴ」(金)というのがあった。
「ザハヴ」(金)に使われているヘブライ文字は「ザイン」(武器)、「ヘー」(窓)、「ヴェート」の3文字です。
「ザイン」(武器)を使って「ヘー」(窓)を割り「ザハヴ」(金)を盗み出す、と前に言った。今度はそこにウガリト文字が加わるのか。
ウガリト文字の10番「ザイン」(武器)は5番「ギメル」(ラクダ)の上に三角がもう1つついています。
ラクダに乗って旅に出る時には武器も持って行ったのであろう。
ギリシャ文字やラテン文字で「Z」は最後に出て来るのに、ウガリト文字、フェニキア文字、ヘブライ文字、そしてアラビア文字では「ザイン」(武器)が先に出て来るのはなぜだろう?
それはもちろん砂漠を旅したり船に乗って遠くに行く時は身を守るために武器が必要だからであろう。
昔、フェニキア人が海に出たりウガリト人、ヘブライ人などが砂漠を旅する時は、武器というものは常に個人が持っていたと思います。いつどこで野生動物や盗賊に襲われるかわかりませんから。でも、ギリシャで都市国家ができ、ローマ帝国が大きくなると、個人が武器を持って自分の身を守るというよりも、戦う専門の兵士がいて軍隊ができる、組織として敵と戦うようになるから武器を持つのは最後の手段になったのだと思います。軍隊によって常に守られているから、日常生活では武器は必要なくなったのだと思います。
余が武器を持って戦いに行ったのは最後の手段だったというわけか。
ペドロ2世がいくら戦いが好きでも、王宮で武器を振り回したりはしないと思います。守られた安全な場所で武器を使うのではなく、敵と戦うために、日頃から軍隊を訓練して戦いに備えるのです。ペドロ2世は武器を使って自分が戦うのは得意でも、頭を使って軍隊をうまく動かすのは苦手だった、だから戦死するのです。
不真面目王のフアン1世に言われたくないが、言い返せない。
昔は武器というものは個人が持っていましたが、国が大きく強くなるほどに、訓練された兵士が武器を持つようになりました。そして自分の身を守るだけでなく、武器を使えば敵を倒し、土地や財産をもらえる可能性が出てきました。武器を使うことが自分の成功や幸せに結びついてしまうのです。だからこそ「ザイン」(武器)はギリシャ語やラテン語では最後の文字になっているのだと思います。
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