2、フェニキア人(2)
文字数 1,065文字
それに余はアラゴンから出たことがないから、海というものを知らない。父上サンチョ・ラミレスはローマまで巡礼の旅をしているし、兄上アルフォンソ1世も遠征で遠くまで行っているが、余は本当に狭い世界しか知らない。
海を知らない者に海上貿易について説明するのは難しいが、話を先に進めよう。フェニキア人が建設した主要都市にはアラドス(現在のアルワード島)ティルス(現在のスール)、シドン、ビュブロス、ベリュトス(現在のベイルート)などがある。
ティルスは紀元前11世紀から紀元前9世紀にかけて最盛期を迎え、植民都市としてカルタゴを建設します。その後アッシリアや新バビロニアに攻撃されて抵抗するも服属、その後アレクサンドロス大王の遠征で激しく抵抗しますが陥落して多くの戦死者を出し、3万人のティルス市民が奴隷にされました。
フェニキア人の都市国家は紀元前9世紀から紀元前8世紀にアッシリアの攻撃を受けて服属を余儀なくされ、政治的な独立を失った。その後新バビロニア、アケメネス朝ペルシャに服属するが海上貿易では繁栄を続けた。しかしアケメネス朝を滅ぼしたアレクサンドロス大王によってティルスが征服され、ヘレニズム世界の一部となった。