2、フェニキア人(2)

文字数 1,065文字

今日からフェニキア人の都市やフェニキア文明についての具体的な話になります。作品集には下の地図から入ってください。
フェニキア人は紀元前15世紀頃から都市国家を形成し始めて、紀元前12世紀頃から盛んな海上交易を行って北アフリカからイベリア半島まで進出した。
余は紀元後の1086年から1157年まで生きた。紀元前15世紀や紀元前12世紀というのはキリストが生まれるより1000年以上前、その頃に文明が栄えていたとは信じられない。
ラミロ2世は生涯の大半を修道院で過ごしてきた人なので、キリスト教の教育を受けてきて、紀元前の歴史についてはあまり知らないと思います。
それに余はアラゴンから出たことがないから、海というものを知らない。父上サンチョ・ラミレスはローマまで巡礼の旅をしているし、兄上アルフォンソ1世も遠征で遠くまで行っているが、余は本当に狭い世界しか知らない。
ラミロ2世はアラゴンしか知らないので、都市国家とか海上貿易など想像できないということがよくわかります。僕も本を読んで知ってはいたけど、実際に海を見たのは15歳になってからです。
海を知らない者に海上貿易について説明するのは難しいが、話を先に進めよう。フェニキア人が建設した主要都市にはアラドス(現在のアルワード島)ティルス(現在のスール)、シドン、ビュブロス、ベリュトス(現在のベイルート)などがある。
ティルスは紀元前11世紀から紀元前9世紀にかけて最盛期を迎え、植民都市としてカルタゴを建設します。その後アッシリアや新バビロニアに攻撃されて抵抗するも服属、その後アレクサンドロス大王の遠征で激しく抵抗しますが陥落して多くの戦死者を出し、3万人のティルス市民が奴隷にされました。
フェニキア人の築いた都市国家は交通の要となる場所にあるために大国に狙われ、激しく対抗して多数の市民が犠牲になっているのですね。
フェニキア人の都市国家は紀元前9世紀から紀元前8世紀にアッシリアの攻撃を受けて服属を余儀なくされ、政治的な独立を失った。その後新バビロニア、アケメネス朝ペルシャに服属するが海上貿易では繁栄を続けた。しかしアケメネス朝を滅ぼしたアレクサンドロス大王によってティルスが征服され、ヘレニズム世界の一部となった。
結局アレクサンドロス大王の遠征でフェニキア人の都市国家ティルスは大きな打撃を受けたのですね。交通の要となり豊かで栄えた都市ほど抵抗も激しく徹底的に攻撃されていると思います。
フェニキア人の都市国家はこのようにして衰退していった。だが植民都市カルタゴはこの後も繁栄した。
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