202、ウガリト文字の学習(4)

文字数 1,008文字

ウガリト文字の学習の続きです。作品集は下の画像から入って下さい。
今日はウガリト文字の4番の字を見ていこう。4番の字はフェニキア文字、ヘブライ文字の「ベート」(家)に対応し、発音は「b」である。
フェニキア文字の「ベート」(家)は「家」というよりも「船」のような形をしている。
フェニキア人は貿易で栄えた民族だから、船を家のように使ってどんどん地中海に進出したというような意見が前に出ました。
地中海、船、家・・・そうか、わかった。ウガリト人もまたフェニキア人と同じように船で海へ出て行ったから船をとても大事にしていた。ウガリト文字の4番は木を組み合わせて船を作り、帆を立てているようにも見える。
あれっ、全ての文字を兵士と槍と司令官に例えるペドロ2世が違うこと言っていますね。
生きている間、余は戦いに勝つことが全てであった。だが、ここで学ぶうちに戦いに勝つこと以外にも大切なことがあるように思えてきた。
紀元前の時代、地中海の都市国家では交易が盛んに行われました。戦いに勝って強い国が弱い国を支配するというのではなく、お互いの国が利益を得るように交易を進め、証拠を残すために文字が発達しました。歴史はどちらかというと大きな国、強い国を中心に語られてきて、勝った国が正しいかのように思われてきました。スペインは大国となりイスラム教徒やユダヤ教徒は迫害されるようになりました。でも紀元前の地中海の都市国家は戦って相手を支配するのではなく、それぞれの民俗や習慣、宗教を大切にしながら互いの利益のために交易を行い、発展した社会があったように思うのです。
なるほど、そして豊かな海に出ていくのに欠かせないのが船であり、家としても使われた「ベート」であったのか。だから2番目の文字になっている。文字を知ることで古代の人間の世界観、価値観を知ることができる。素晴らしいではないか。余はもうこれからは兵士と槍にこだわらない。
4番の文字が船を表しているとしたら三角形は上に2個下に2個、合計4個しかありません。随分シンプルですね。
三角形でも四角形でも、人間がパッと見て数を認識できるのは多分5個ぐらいだと思います。それ以上は数えなければならない、だからほとんどの文字は三角形の数は5個以下になっているはずです。
そんなことまで考えて文字は作られているのか。楔形文字なんて粘土板に茎で押し付けているだけだと思っていたが、深い叡智が隠されているようだ。
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