152、後ろに続かない文字(4)
文字数 1,005文字
これは僕の想像ですが、昔、ピラミッドの中では特別な儀式が行われました。その儀式を受けた人は、今まで見えなかったものが見えるようになり、神の叡智を直接受け取ることができるようになるのです。窓を開けて外の世界を見るように、全く新しい世界が見え、新しい思考が生まれるのです。それはその人にとって大変なことでもあるから、長い年月にわたって訓練を受けた人だけがその儀式を受けることができました。
ハーはヘー(窓)、ラーはレシュ(頭)、ミームはメム(水)に対応する。ピラミッドの中で人間の心のハー(窓)が開き、今まで見えなかったものが見え、神の叡智を受け取ることができるようになる。その叡智は直接ラー(頭)へと貯えられ、そして儀式にはメム(水)が必要になる。
ハラム(ピラミッド)という言葉をアラビア文字の連結形にすると、最初に目の形になる。これは全てを見通す神の目と同じだ。そして受け取った叡智はすぐにラー(頭)へと貯えられる。ラーの後ろには文字は続かない。なぜならば受け取った叡智は熟考し、自分のものにしなければならないからだ。その後新しくミーム(水)から始まり、ハラム(ピラミッド)の中で受け取った叡智は水(河)を通じて伝えられていく。