35、ハミルカル・バルカという名前

文字数 1,232文字

今日はハンニバルの父、ハミルカル・バルカという名前について詳しく見ていくことにしよう。
作品集には下の画像から入ってください。
ハミルカルの名前についてはフェニキア文字で書いてあるものが見つからなかったので、私がハンニバル・バルカで使われている文字を参考に当てはめてみました。
ハミルカルという名前はフェニキア語の「アブド・メルカルト(メルカルトの僕)」のギリシャ語、ラテン語表記である。
メルカルトもまた神様の名前ですよね。
ハミルカルの名前もハンニバルと同じように神の名前が含まれている。そしてヘト(棚)、メム(水)、ラメド(突き棒)、コフ(針穴)、レシュ(頭)の5文字が使われている。
メム(水)以外はハンニバル・バルカで使われているのと同じ文字です。
メルカルトは水や海に関係がある神だったのか。
メルカルトはティルスの主神。冥府の王にして、植物の成長サイクルを司る者。狩人。しばしばバールと同一視されるが、メルカルト神殿の遺跡から、海神の性格も帯びていたようである。
ウガリットでは、祝福された死者の魂は、冥界に下り、嵐の神にして冥界の王たるバール・ハダドに食べられると信じられていたが、この世界観はメルカルト信仰にも持ち込まれたであろうと考えられる。
え、祝福された魂が冥界で食べられてしまうのですか?この神話はかなり怖いです。
紀元前の時代、人間は我々キリスト教徒とは全く違う神を信仰し、違う世界観を持って生きていたに違いない。ウガリット神話とはどのようなものなのか、詳しく知りたくなってきた。
ニコラさん、ウガリット神話は粘土板に楔型文字で書かれているのですよ。そんなものどうやって読むのですか?
21世紀に生きている作者なら、どんな時代の本や資料でもうまくまとめたものを手に入れて読むことができる。
わかりました。いずれ楔型文字やウガリット神話についても詳しく調べてみます。
話をメルカルト神に戻す。ギリシア人はメルカルトをヘラクレスと同一視しているが、自分たちのヘラクレスより古い神性であることを認めている。
ヘラクレスにも関係があるのか。余はハンニバルとかヘラクレスとか強い英雄が大好きだ。
ハンニバルの名前もそうですが、父ハミルカルの名前もまた紀元前の地中海世界で広く信仰されていた神の名前が含まれているのですね。
そのこともふまえて、ハミルカルという名前に含まれたヘト(棚)、メム(水)、ラメド(突き棒)、コフ(針穴)、レシュ(頭)の5つの文字から何をイメージする?
フェニキア人は海(メム、水)の神(ラメド、突き棒)メルカルトに祈りを捧げて(ヘト、棚)広い海に出ました。たくさんの船はメルカルトへの信仰という目に見えない糸(コフ、針穴)で結ばれ、彼はそのリーダー(レシュ、頭)でした。
なかなかうまいではないか。ハンニバル・バルカ、ハミルカル・バルカの名前には紀元前の時代に地中海世界で広く信仰された神の名前が含まれ、そして彼らはそれぞれの土地で力を発揮するリーダーとなった。
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