85、ポエニ戦争(45)

文字数 1,102文字

デルトサの戦いについての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
側面では、まずローマ騎兵を混乱させるために両翼のカルタゴ軍戦象がローマ騎兵に突撃したがほとんど効果がなかった。
私なら象を見ただけで怖くて逃げ出したくなります。
続いてカルタゴ軍騎兵も突撃を開始した。しかし優秀な兵力を有していたにも関わらず(カルタゴから見て左翼1,600対1,000、右翼2,000対1,800)これもカンナエとは違ってカルタゴ軍騎兵はローマ軍騎兵を戦場から駆逐できなかった。結局両翼ともに戦線は固着してしまった。
カルタゴ軍は騎兵の包囲ができなかったのか。
この時点で中央のイベリア歩兵が崩れ、戦場から逃亡し始めた。これを見たカルタゴ騎兵はローマ軍騎兵との小競り合いを中止し、自身も戦場を脱出した。ローマ歩兵はイベリア歩兵を崩した後、同盟国歩兵の支援にまわりリビア兵ファランクスを攻撃した。リビア歩兵は頑強に抵抗し、結局は敗れたものの、ローマ軍に多大な損害を与えた。
結局どっちが勝ったのだ?
カルタゴ軍が逃げているのでローマ軍の勝ちだと思います。
だが、どちらも圧倒的な勝利ではない。どうもすっきりしない戦いだ。
カルタゴ軍の戦象と騎兵は殆ど無傷であり、ハスドルバル自身も無事ではあったが、歩兵の損害は大きかった。ローマ軍の追撃は積極的ではなくキッサの戦いの後と同じように勝利の結果を固めることに注力した。ローマ軍はカルタゴ軍野営地を襲ったが、すでにハスドルバルは兵を撤退させていた。粉砕されたカルタゴ軍はカルタヘナに撤退し、エブロ川の南にもローマ軍の地歩が築かれた。
余はイベリア半島には足を踏み入れたことがないから、エブロ川とかカルタヘナとか言われてもピンと来ない、
私達アラゴン王にとってはエブロ川はとても重要な川です。
イベリア半島でのカルタゴ勢力を維持し、ローマ軍の動きをけん制するため、ハスドルバルの軍はマゴ・バルカとハスドルバル・ギスコの軍で強化されることになる。しかしカルタゴ軍はエブロ川以北に対する効果的な作戦を行うことは二度とできなかった。
カルタゴ軍はここで強化されたわけか。
スキピオ兄弟は勝利の後に追撃を行い、戦果を広げようとはしなかった。以前の戦略を継続し、機を見て襲撃を行い、イベリア部族の反乱を促し、ローマの地盤を固めていった。スキピオ兄弟に対するその後のローマからの兵力増加は無かった。
どうしてローマは兵力増加をしてくれない?
イタリアにはハンニバルの軍隊がいるのです。イベリア半島の兵を補強する余裕はなかったのでしょう。
紀元前212年まで、スキピオ兄弟はバルカ兄弟とギスコとの間に一進一退を繰り返した。
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