220、ウガリト文字の学習(22)
文字数 1,157文字
余は大胆で豪快な性格で知られているペドロ2世だ。「クフ」(針穴)などという細かいものは本来は好きではない。それにフェニキア文字は大体大きな物から小さな物へと並んでいるのに、ここで突然「クフ」(針穴)など出してしまったら、もう続きが出せないではないか。
それまではよい流れで文字が続いていた。「サメフ」(魚/柱)、「アイン」(目)、「ペー」(口)、「ツァディ」(パピルス)だ。神殿が作られ、神の目が開かれ、神官が神の言葉を聞いてそれを口で伝え、パピルスに書き写された。何も問題はないはずだ。それなのになぜ突然「クフ」(針穴)などという全く関係ない文字が出て来るのだ?
ペドロ2世やヴェンツェルのように大雑把で大胆な性格の王は、家臣に細かいことを言われるのは嫌いだと思います。でもそれで自分勝手な行動をして、結局戦死したり統治がうまくいかなくなったりしています。もし2人に細かい所を突く針穴のような家臣がいてくれたなら、結果はかなり違っていたと思います。
26番の文字は「クフ」(針穴)に対応し、いろいろな場所で同じ意味の文字が使われています。そして直前にある文字が「ツァディ」(パピルス)でこれも同じです。神の言葉がパピルスに書き写されてもそれで安心してはいけない、その中に間違いはないか、針穴のような細かさを持って調べなければならない、だから「クフ」(針穴)という文字があるのです。