93、ヘブライ文字と発音記号(8)

文字数 1,196文字

ヘブライ文字と発音記号についての続きです。作品集には下の画像から入ってください。
今日はまずカフの文字から見ていこう。カフは掌という意味がある。
手と掌はどこが違う?
手は腕から掌、指の先まで含めた手全体で、掌は掌だけです。
そうか、だがフェニキア文字のカフは掌にはあんまり似ていない。似ていないけど、どこかで見たような気がする。
フェニキア文字のカフはKを逆向きにした形をしているのです。
おおー!そうだ、そうだ。確かにフェニキア文字のカフはKを逆向きにしている。
ヘブライ文字のカフはハフとよく似ているが真ん中に1人見張の兵がいる。
この点はダゲッシュという名前である。
カフの発音はハフとよく似ているけど、ダゲッシュがつくkのカフに長母音アのカマツ・ガドール、それからfのフェー、ソフィートです。
ヘブライ文字も規則さえ覚えれば読めるようになる。
次にラメッドの文字は突き棒を意味している。
ラメッドは突き棒か。なんかかっこいい意味の文字だ。だがヘブライ文字は四角形が基本のはずなのにそうではない。
ヘブライ文字のザインもそうだが、武器や突き棒が四角形ではおかしいから陣形を少し変えてまっすぐな棒に見えるようにしている。
そういうことか。ヘブライ文字は本当に細かいところまで考えて作られている。
ラメッドはlの発音のラメッドにアの長母音カマツ・ガドール、mの発音のメムにエの短母音セゴール、そしてdのダレットです。
息切れしないように、長母音、短母音、子音の順に並んでいる。ヘブライ文字はまるでよく訓練された軍隊のように作られているではないか。
その通りだ!ヴェンツェル、よくわかってくれた。
そうか、わかったぞ!アラゴンはフアン1世のように不真面目な王がいたから国が乱れ、財政が傾いた。だから不真面目で不規則な生活をやめ、軍隊や修道士のような規則正しい生活をするためにもヘブライ語のような規則正しい文字の勉強をしているのか。
ボヘミアの怠慢王ヴェンツェルにそのようなことは言われたくありません。私はたまたま不真面目王などという渾名がついていますが、アラゴン王は代々真面目で勇猛果敢であることで有名です。規則正しい生活が必要なのは、教会大分裂の解決法を話し合うためのシャルル6世との会談の前夜に酔いつぶれて会談ができなくなったヴェンツェルの方ではありませんか。
そんなことはよくわかっている。だから余は少しでも自分の欠点を直そうと・・・
歴史や文字を学ぶことで広い世界を知ることができる。だが文字を学ぶことの意義はそれだけではない。文字の規則性を知ることで己の不完全さ、不規則さがよくわかる。己の欠点を見つめて不完全さを克服することで魂は進歩し、やがて完全さを取り戻すことができる。
ニコラさん、あんまり難しいこと言わないでください。みんなキョトンとしています。
今日の授業はこれくらいにして、次回からは少しポエニ戦争の話をしよう。
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