66、ヘブライ文字の特徴(5)

文字数 1,286文字

今回からまたしばらくはヘブライ文字の特徴を学んでいくことにしよう。
作品集には下の画像から入ってください。
今回もヘブライ文字は『ヘブライ語入門』の線文字を参考にして書いています。
ヘブライ文字の特徴については覚えているかな。
はい、フェニキア文字に比べてヘブライ文字は元の形が分かりにくい、丸や三角などの図形を使っていないなどの特徴があります。
ヘブライ文字は基本直線と四角形だから兵士を文字の形に並べやすい。またヘブライ文字は完全包囲を嫌い、どこか出口があったり微妙に飛び出していたりする。
ヘブライ文字は基本が四角形だから、文字を区別するために少し開けたり線が飛び出ているところがあったりして区別しているのだと思います。
ヘブライ文字の特徴やフェニキア文字との違いはわかってきたようだから、具体的に1文字ずつ見ていくことにしよう。まずはカフ(掌)について気付いたことを言ってみてくれ。
カフ(掌)のフェニキア文字はラテン文字のKによく似ています。
フェニキア文字のカフ(掌)ぐらいなら、兵を並べるのに問題はない。
カフ(掌)はフェニキア文字とヘブライ文字では全く違いますね。
でもカフ(掌)の意味に注目すれば、ヘブライ文字は掌に見えます。ちょうど掌に何か小さなものを握り締めていて手を開いた時のようです。
余はヘブライ文字のカフ(掌)を見て、真ん中に指揮官がいて3辺に兵が並んでいる図を思い浮かべた。
本当にペドロ2世はいつも陣形のことばかり考えているのですね。
どうしたら戦いに勝てるのか、そのことだけを考えて生きてきた。
ラメド(突き棒)についてはどう思う?
ラメド(突き棒)のフェニキア文字はラテン文字のLによく似ています。
ラメド(突き棒)はヘブライ文字よりもフェニキア文字の方がわかりやすい形をしています。
ラメド(突き棒)は四角形のような形ではおかしい。最初は下を開けた四角形のような形をしていたが、指揮官がこれではラメド(突き棒)にならないと気が付いて、兵の列をまっすぐ伸ばそうとしたが途中に動かない者もいて。このような形になってしまった。
メム(水)については何をイメージする?
フェニキア文字のメム(水)は川のさざ波のようです。
やっぱりフェニキア文字のメム(水)はラテン文字のMに似ているけど、ヘブライ文字は似ていません。
ヘブライ文字のメム(水)はバケツに水を入れて運ぶところでしょうか?
ヘブライ文字のメム(水)がバケツに水を入れて運ぶところなら、この図では完全に間違っている。下に穴が開いていては水はこぼれてしまう。
確かにそうですね。
ヘブライ文字のメム(水)は用水路と考えたらどうだろうか?遠くの川から水を引いている用水路だ。
ペドロ2世はすごいですね。
平原の戦いでも城にこもる場合でも水の確保は非常に重要なことだ。新しい土地に行った時、まずは水をどうやって確保するかを考える。だからヘブライ語でのメム(水)は複雑な形になったのかもしれない。
今回も興味深い意見が出た。同じ文字を見てもそれぞれの経験から全く違ったイメージが出てくる。これこそが世代や経験が違う者が集まって学ぶよさであろう。
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