134、アラビア文字(12)
文字数 1,027文字
コフ(針穴)の文字についてはよく覚えている。フェニキア文字とヘブライ文字は大きなものから小さなものへと順番に並んでいるが、まだ文字は続いている旅の途中でいきなりコフ(針穴)などという最小のものを出してしまったらこの先どうしたらいいか途方にくれた。
余は頭を使って考え抜いた。そして答えが見つかった。針穴より小さいものはレシュ(頭)である。なぜなら頭を使えばどんな小さなものでも想像で作り出すことができるからである。そしてコフ(針穴)の文字の後にはレシュ(頭)の文字が来ることになった。
ペドロ2世の話に余はいたく感激した。ペドロ2世の弟子になって一生ついて行く決心をした。フェニキア文字のコフは確かに針穴の形をしているし、ヘブライ文字もまあ針穴に見えなくもない。だが、アラビア文字のカーフは針穴とは全く似ていない!それにコフ(針穴)の後にレシュ(頭)が続いてないとは、いったいどうなっているんだ!