131、ポエニ戦争(62)

文字数 961文字

第一次タレントゥム攻城戦についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
タレントゥムは複雑な地形をしていますね。陸地に囲まれた小さな海があり、そこには船は入りにくくなっています。
夜明になると、ハンニバルはアゴラ内部に兵を入れた。他方、生き残っていたローマ人はアクロポリスの要塞内部に撤退した。次に市民を非武装の状態で集め、親カルタゴ派市民はカルタゴ軍はタレントゥム防衛のために入城したのであって、一般市民に静謐を保つように諭した。ローマに親近感を持つタレントゥム市民は、ローマ人とともに行動することを望み、アクロポリスに避難した。ハンニバルは集まった人々に好意的に働きかけ、タレントゥム市民は彼の言葉を受け入れた。
攻城戦は城壁の中に入ればそれで終わりというわけにはいかないのだな。ハンニバルともあろう者が市民の機嫌を取っているのか。
ハンニバルはタレントゥム市民と戦いたくなかった、それだけそこが重要な拠点となると考えたのでしょう。
次に家の扉にローマ人、タレントゥム人と書くように命じ、ローマ人と書かれた家の住民は死刑が宣告された。その執行に何人かの指揮官が選ばれ、家財は略奪された。
家の扉にローマ人と書かれれば殺されてしまうのですか?
それができるだけ市民を殺さないようにする方法だったのでしょう。
これが完了した後、翌日にはタレントゥム市民も出席した会議が開催された。ハンニバルはローマ軍の攻撃に備え、アゴラとアクロポリスのローマ要塞の間に新たな城壁を作ることを決定した。まず要塞の城壁に並行して壁を築き、続いてその手前に濠が掘られた。
ハンニバルらしくないことばかりやっている。市民との会議を行ったり、土木工事をしたり・・・余はこんな面倒なことはやりたくない。
例え面倒でもハンニバルは必要だと考えたからやったのでしょう。
戦争の時には都市を攻撃し、敵も市民も関係なく殺して略奪する方が手っ取り早いです。でもタレントゥムに関して、ハンニバルは市民と協力してローマ人を追い出しています。こうすることで他の南イタリアの都市も味方につけることができ、南イタリアを拠点にすることができると考えたのだと思います。
ハンニバルはただ強いだけの指揮官ではない。味方の損害をいかに少なく必要な物質や食糧、兵を確保できるか考えていたようだ。
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