135、アラビア文字(13)
文字数 985文字
掌の上に目があるというのは、これこそアラビア文字の叡智の深さを示している。暗闇の中で人間は手探りで進まなくてはならない。感覚を研ぎ澄まし、手を使ってそこに何があるか知っていく、つまり手の先を目のように使わなければならない。だからアラビア文字のカーフ(掌)にはアラビア文字のアイン(目)が乗っている。
アラビア文字のカーフは司令官のいないままとりあえず語頭は日本語の「く」のような形で折れ曲がって進んだ。そして語中では途中で飛び出して「く」の下の部分まで行ったが、そこから引き返して先に進み、後から「く」の上の部分を書き加えている。