135、アラビア文字(13)

文字数 985文字

アラビア文字についての続きです。作品集は下の画像から入ってください。
今日はアラビア文字のカーフを見てみよう。カーフはフェニキア文字とヘブライ文字のカフ(掌)に対応する。
フェニキア文字のカフはちょうどKをさかさまにしたような形をしている。だがアラビア文字は相変わらず奇妙な形をしている。
フェニキア文字とヘブライ文字のカフは掌という意味で、フェニキア文字は掌と指、ヘブライ文字は手で何かを掴んでいるようにも見えます。
アラビア文字の独立形の上にある耳のような形は見覚えがある。
アラビア文字のアイン、ガインと似ています。
アインとガインはどちらもフェニキア文字、ヘブライ文字のアイン(目)に対応している。掌の上に目があるというのはかなり怖い。
掌の上に目があるというのは、これこそアラビア文字の叡智の深さを示している。暗闇の中で人間は手探りで進まなくてはならない。感覚を研ぎ澄まし、手を使ってそこに何があるか知っていく、つまり手の先を目のように使わなければならない。だからアラビア文字のカーフ(掌)にはアラビア文字のアイン(目)が乗っている。
ペドロ2世の叡智の深さには驚かされる。
きっと今思いついたのですよ。深く考えていたら無謀な戦いで戦死したりはしません。
アラビア文字カーフの連結形を見てみよう。
語頭と語中は独立形とは全然似ていない、無理な形をしていますね。
アラビア文字のカーフは司令官のいないままとりあえず語頭は日本語の「く」のような形で折れ曲がって進んだ。そして語中では途中で飛び出して「く」の下の部分まで行ったが、そこから引き返して先に進み、後から「く」の上の部分を書き加えている。
ずいぶん面倒なことをしていますね。
司令官のいない戦いは困難を極める。そして語尾になって、ようやく本来の形をとれるようになった。アラビア文字は他の文字もそうだが、語尾になってやっと独立形に近い形になってくる。
司令官もなく、本来の姿も隠さなければならないとは、アラビア文字の連結形は本当に辛く厳しい戦いをしている。
でも、だからこそアラビア文字は洗練された滑らかな曲線と直線が続く文字になり、書きやすく読みやすくなりました。ギリシャやローマの古典がたくさんアラビア語に翻訳され、イスラム医学が発展したのは、アラビア文字が速く書け、単語が繋がっているから読みやすいという特徴があったからだと思います。
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