十の一 座敷わらしと相棒カラス
文字数 2,162文字
ドーンが地上へと降りていく。
いきなり体を手放されて、俺の体はふわりと浮く。その頭にカラスが乗る。
フワフワ
(……本人が言っていたように、こいつは俺の怒りに呼応して、さらなる異形と化した。それを受けいれているし、俺に逆らえないとも言っていた。いまは当然のように俺を止まり木にしているくせに……。
なんにしろ頭に血がのぼる事柄は起きてほしくない)
バシバシバシン
五発すべて喰らった俺が言う。
一発も喰らってないドーンが、羽根をひろげて浮かばせまいとする。
次回「信頼すべき人」