十一の三 お天宮様でも譲歩する
文字数 2,800文字
俺は祠の前にしゃがむ。
目を開ける。
雷に似た護符を手にする。
思玲も目を開けた。
高々と飛びながら叫ぶ。
風をかすめて地面に着地する。
『ホホホ。竹林よ。それは私達の仕業かもな。なにしろ、こんなこともできるのだから』
『鴉どもは立ち去れ。夜の俺達には、爺さんしか関われない。聞いているだろ、キキキッ』
次回「忌むべき祭り」