三十一の一 血の値段、命の値段
文字数 1,811文字
(大蔵司が自分の腕に刺さった破片を取っている。……俺は後部座席に寝かされていた。まぶたが重い。
裂かれた心臓が治癒している。切断された肋骨も、折られた指も――。彼女への感謝と畏怖を心に刻む。
痛みさえ消えていた。でも寒いし、喉が渇くし、心臓が弱弱しい)
彼女は見抜いている。
次回「後部座席の二人」
文字数 1,811文字
(大蔵司が自分の腕に刺さった破片を取っている。……俺は後部座席に寝かされていた。まぶたが重い。
裂かれた心臓が治癒している。切断された肋骨も、折られた指も――。彼女への感謝と畏怖を心に刻む。
痛みさえ消えていた。でも寒いし、喉が渇くし、心臓が弱弱しい)
次回「後部座席の二人」