四十九の一 醜くきは人
文字数 3,093文字
4.7ーtune
ドロシーが扇を振るった後に、振りかえる。
……ゾワ
ゾワゾワ
ドロシーが風軍を肩から追い払い、扇を振るう。麗豪は蜃気楼と消える。
身の凍る気配。
(魔道具と法具は、それぞれの主の手に戻る。……青龍くずれ。つまり不完全な龍。夏奈は光がそろわぬから剣の光にたやすく倒されたのか。
俺は夏奈の頬に寄り添う。もはや人の魂は伝わらない。琥珀、ドーン。はやく来てくれ)
思玲が天宮の護符をかかげる。
狼達が立ちどまるが、思玲との間に火焔が走る。二頭は闇へとうなる。
龍が目をかすかに開ける。
すぐに瞳を閉じながら、
ドロシーがリュックサックを持っていた。
法董が冥神の輪を舐める。
黒い螺旋を受けてドロシーが飛ばされる。横根の結界にぶつかりはじかれる。
彼女を抱き起こす。意識はある。気配。黒い光を護布で妨げる。太ももの傷は、深くはないが横にざっくりだ。血の水たまり。
傷口に緋色のサテンをきつく縛りつける。
そのパソコンは声で認証。いまので起動した。
有限公司立ち上げ。延滞者一覧、台湾、琥珀、完納者へ移動。そこからプラチナメンバーへ移動。
……深圳の
……Mp5の制限解除はどのみち不要だ。ヘヘヘ……
蒼白のドロシーが目をつぶる。その手からリュックが落ちる。
次回「ファイナルシフトアップ」