三十二の一 再集結
文字数 2,434文字
ジョー
俺はふらふら歩くが自分の体でないようだ。隅で立ちションしているうちに、みんなは車に乗りこむ。最後に乗車すると、自分の血とかの汚れとにおいで吐きかける。
さっきまで彼女が着ていたTシャツに着替えさせられる。女性サイズだから窮屈だ。彼女の運転でもたもた進みだす。
琥珀が助手席からつぶやく。
横根と川田の久しぶりの出会いを横目で見ながら、カラスだけ連れて手水舎に行く。
昨日の夜はきわどかったっぽい。大カラスが飛んでいると、ドロシーちゃんが言っていた。でかいのは高く、小さいのは低くだってさ。あの子は、結界に閉ざされると逆にすべてを感じるぜ。しかも結界をこわせるし、結界にブルーシートをかけてあったし。……ドロシーちゃん、かわいいしやさしいし強いし最高じゃね? 俺らのふたつ下って、まだ高校生だし。でも日本語喋れないんだよね。英語は話せるのに――
単独で偵察したり護符を探しにいったりしたら、いずれ捕まる。殺される。
友であるカラスに告げる。
ずっとみんなといよう。杓子で水を飲む。
次回「少女と手下達」