十三の三 開封
文字数 2,900文字
声がうわずってしまった。思玲へ目を向ける。
♪♪
黒猫も箱を遠巻きに覗く。
沈がさらに命じる。俺は思玲を見る。彼女も俺を見ていた。互いに戸惑う。
カラスをにらみながら、ドロシーがシノを支えて立ちあがる。
ハラペコじゃないって。
今回はほぼ全部。前回は、思玲と哲人が使い魔を開放したあたりから――空が白むあたりまで。
使い魔どもが完全復活したから、報告のためにいったん上海に戻った。この姿のパスポートがあるからね
ドロシーがまた明かりを灯す。かすれていく赤い光と混ざりあう。
あらゆる記憶が蘇る。
次回「波濤の先に」