十一の二 前夜祭の始まり
文字数 2,700文字
俺は空高くへと浮かびあがる。薄雲に星は見えない。人の明かりが遠く見える。
そうだよ。俺は奴らを何度も倒した。だから奴らは俺を狙う。
まず声が聞こえた。
その上空で大タカが風によろめく。人が落ちかける。
振るった扇から、青い光が矢のように幾重も飛んでくる。立て続けに食らって地面に打ち伏される。シノの光よりはるかに痛くて目がくらむ……。
次回「お天宮様でも譲歩する」