四十二の三 滝
文字数 1,739文字
ピキッ
俺達は川に腰から落ちる。膝丈ほどだ。白猫が露泥無である女の子に駆けあがる。
俺は水をはじきながら立ちあがる。露泥無も腰をあげる。
(怪物だろうがなんでもいい。俺は上流へと浮かぶように駆けだす。
これこそ導きだ。聖大寺の独鈷杵。明王だかは、もう二度と滝に飛びこむなと笑ったな。それは冗談だろうか、本気だろうか?
闇の向こうに滝の音が聞こえた。石で作られた仏像が見える)
それは水底に突き刺さっていた。左手で握る。
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