四十六 どんどん無敵
文字数 3,139文字
4.5ーtune
楊偉天が杖をつき立ちあがる。
空がきしむ。陽炎がきしむ。老人が不安げに見あげる。
友の声がした。
もう一人の友の声。
荒廃した広場で、土壁が老人を片手で持ちあげる。口で鏡の鎖をむしり取ろうとする。
藤川匠が楊偉天の懐を探る。
機銃音。獣人達の残存が体をかばう。
ドロシーが舞台の上に飛び乗る。
紅潮した顔で見わたす。
俺の吐息を含んだ息を、魔道具である銃に吹きこむ。
龍が舞台に目を向ける。