チャットで5-tune 四神獣達のダイジェスト
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文字数 2,306文字
4.2ーtune
(登山の人達はなにもなかったように帰路につく。
俺達は登山口の駐車場で琥珀を待つ。日没まで一時間ちょっとの午後六時。山間だから翳りはじめている。新月の夜――、時間切れが近づいている)
(俺とおなじことを考えた)
(思玲ならそう言うに決まっていた。でも意見は一致した。ケビン達には教えない)
俺だけでなんとかするよ。俺の責任だし……!
遅くなり申し訳ございませぬ
大蔵司と電話番号のやり取りなんかしていない
哲人が車で寝ているあいだに交換しておいた。
シレッ
まさか四桁の暗証番号が、本当に『3901』だと思わなかったからな
ニヤニヤ
片側だけだと三十万とのこと
(こっちはさらに計算が合わない。現実味のない話だから、どうでもいいや)
死者の書が八十万。
麗豪と法董を引き渡せば一人六十万。……殺しても六十万
(この依頼のおおもとは、おそらく南京の寺院)
それと、ここに迎えを寄こさせろ。支払いは魔道団だ。ましなドライバーにしてもらえ
なんで人間のもので電話できる?
シッシッ
(思玲が顔の前をはらいながら言う。
大蔵司の血のおかげで、思玲もすっかり元気になった。彼女の虫歯が治るかも試させられたが無理だった。おそらくあの血が義憤を感じたときに、その力を発揮するのだろう)
(あの血はいずれ薄らぐよな。なんだか乗っ取られそうで怖くなる。成人男性の体内の血が5リットルとして(雑学知識だ)、輸血された量は800ミリリットルだから…、16%も彼女のじゃないか!)
チラッ
(琥珀は電話を切り、ようやく主と俺以外に顔を向ける)
私のリュックがないとあの箱は運べない
それにこいつらはリュックサックなどなくても行く
ドロシーは食いさがる。
ケビンが暮れ行く空を見上げる。
(ケビンの言葉にドロシーがうつむく。……時間が過ぎていく。俺達はそろそろ動かないとならない)
横根、行こう
トコトコ
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