三十五の三 血よ、たぎれ!
文字数 3,320文字
奴の足もとには、思玲が動かずにいた。
麗豪は彼女を足で転がし、その腹を踏む。
麗豪が口もとをゆがませる。女の子の口から血が流れる。
ドクン
麗豪が横根へと鞭をふるう。
術の鞭が気絶する横根を持ちあげ、地面に叩きつける。手から離れたリュックを鞭がつかむ。この男は……。
目を開けていた。
麗豪が宙に浮かぶ。林間を縫って飛んでいく。
そして、あいつが俺を見る。
次回「覚醒の始まり」