出処進退(2024.7.18)

文字数 383文字

 文句を言うけれど辞めない。好き勝手言って責めるだけ。辞める気もなければ、やる気もない。常に自責ではなく他責。自分は頑張っているのに、みんなは頑張っていない。
 
 出処進退という言葉を知らない鈍感力。
 出処進退をわきまえず、ずるずると劣化していく老人にはなりたくない。

 タイミングを逸してしまった恥ずかしさと虚しさ。運が悪かったと言い訳するが、運も実力のうちだ。何もをやっても上手くいかないのは自分自身の問題で、時代のせいでもなければ環境のせいでもない。

 出処進退という言葉を知らないと人生を見誤る。
 出処進退をわきまえ、分かった風な老人にはなりたくない。

 今晩もひとり、渦を巻きながら考え続けている。ビールの代わりに炭酸水を飲む自分に酔う。もうそろそろ潮時か。いやいや、まだまだ限界ではない。つくづく、出処進退を見落としたと後悔する。今となっては後の祭りだけれど。
 
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