『じんかん』今村翔吾(講談社)(2023.2.11)
文字数 295文字
松永久秀の悪人イメージを見事に逆手に取り、人間とは? 生きるとは? 神や仏とは? という根源的な問題を考える大きな小説である。信長が語る、という設定の妙が、初めから最後まで飽きることなく読ませてくれる。信長と久秀のひねくれた、でも一途な関係性が本作の肝だろう。
謎の多い一筋縄ではいかない「成り上がり」という印象が、逆に「真っ直ぐ」故の反旗であるとガラリと変わってしまうのだから、僕も含め人間とはいい加減なものだと思う。
いやぁ、面白かった。今村さんは今をときめく時代・歴史小説家ですが、お話づくりの面白さと、それを支える文章力(巧いというよりも活き活きしている)が抜群だと思いました。
謎の多い一筋縄ではいかない「成り上がり」という印象が、逆に「真っ直ぐ」故の反旗であるとガラリと変わってしまうのだから、僕も含め人間とはいい加減なものだと思う。
いやぁ、面白かった。今村さんは今をときめく時代・歴史小説家ですが、お話づくりの面白さと、それを支える文章力(巧いというよりも活き活きしている)が抜群だと思いました。