京都・大原(2023.11.20)

文字数 1,220文字

 日曜日に京都・大原へ出掛けてきた。地下鉄で国際会館、バスで大原に向かったのは8時過ぎだったのだが、バスがぎゅうぎゅう詰めになっていたのには驚いた。京都に住みながら、普段は徒歩で行ける寺院のみで、バスは出来る限り避けており、はじめてオーバーツーリズムを体感した。そして、三千院は11月は特別に8:30開門なのだが、参道の土産物屋はまだ閉まっていて、みんな黙々と坂道を歩いて行く。観光バスの団体客も多く、9時前なのに賑わっている。みんな早起きだなぁ、と感心してしまう。でも、大原の気温は5℃とひんやりしているが、空気は澄んでおりとても気持ちが良いのだ。早起きもたまにはしてみるものだな。

 紅葉は今年はダメですね。ほとんど色づいていない。枯れ落ちた葉ばかり。色づく前に枯れてしまうようだ。

 それでも、三千院は庭が広くて、国宝の阿弥陀三尊像も見事で大満足。たくさんの樹に囲まれて気持ちが清々する。今まで、修学旅行も含めて来たことがなかったけれど、おススメですね、ほんと。

 宝泉院は入る時に少し高いな、と思ったら抹茶付きだった。抹茶とお菓子を頂きながら庭を眺めるのはなかなか良い。三千院でけっこう歩いた後なので、ちょうど小腹が空いており、京都らしいおもてなしだと思う。こちらは庭園を楽しむ寺ですね。

 勝林院は地味ながら、本堂に上がって三千院方面を観るととても眺めが素晴らしい。声明を聴きながら阿弥陀如来と対峙することができる。

 せっかく来たのだから、と欲張って三千院から更に坂を歩き、来迎院へ。ほとんど人がいないが、本堂の薬師如来、釈迦如来、弥陀如来とゆっくりと対面できて大満足。こちらの三尊はとてもおススメ。

 更に坂を上り、山道を歩いて音無の滝を見る。しっかりとマイナスイオンを浴びた。

 戻る途中にある蓮成院は秋の特別公開。近代京都画壇の障壁画群を楽しめるということで、せっかくなので入ったが、僕を入れて三組だけでほぼ貸し切り状態。大好きな木島櫻谷の屏風があり、近くで鹿の画を観ることができてラッキーだった。みなさん、櫻谷には興味ないのか、完全に独り占めだった。

 最後は寂光院。こじんまりとしていて、とても落ち着く尼寺です。建礼門院が出家した後、終生を過ごしたことでも知られている。平成12年に火災により本堂が消失したが、地蔵菩薩立像は黒焦げのまま焼け残り、重要文化財として風化させないために温湿度ともに完全管理された収納庫に佇んでいる。秋の特別公開で拝見したが、真っ黒に焼けてしまっているのに、すくっと立っておられて、本当に奇跡だなと感動した。

 午前中で帰るつもりだったが、「せっかくだから」とあちらこちらと歩き回り、大原を堪能した。三千院周辺の樹に囲まれた空間も素晴らしいが、寂光院へ向かう自然の里というイメージの風景も素晴らしかった。空が美味しくて、何度も何度も深呼吸した大原。心身ともにリフレッシュできた。それにしても、けっこう歩いたな。
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