『砂丘律』千種創一(ちくま文庫)2022.12.4

文字数 283文字

 書店で「砂漠に咲く一輪の花のような、混沌の時代に見つけられるべき歌たち〜岸田繁」という帯を目にして、衝動買いした歌集。千種創一という歌人は知らなかったが、くるりの岸田繁の推薦文を信じた。

 正直、どこまで理解できたのかは分からない。ただ、理解できないからこそ、何度も読みたいと思った。ストライクゾーンが広くて、その日の体調や気分で印象が変わるんだろうな。

 小説とは違う言葉の力。詩とも違う言葉の可能性。とても素晴らしい歌集に出合えたことに感謝したい。

 続編のように九月はきて磁器の欠けた部分へ唇あわす

 理由は自分でも説明できないのだけれど、もっとも心に残った歌です。

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