WEリーグMVP(2023.6.12)

文字数 611文字

 WEリーグMVPは三菱重工浦和レッズレディースの安藤梢選手に決まった。昔から女子サッカーを観てきた人なら知っていることだが、日本代表のエース(2トップ)として長きに渡って活躍したFWだ。ドイツでも7年以上プレーしたレジェンドは40歳にしてMVPに輝いた訳だが、今季は怪我人の関係で主戦場はCBだったのだから、更に驚きである。観ていたら分かるのだけれど、「読み」が素晴らしい。もちろん、自分がFWだったからこそ分かる「読み」であり、体が大きくなくても相手のパスを読み、FWの動きを読み、見事に封じる「術」は、観ているだけで本当に面白い。そして、特筆すべきはCBで5得点していることだ。CKやFKの時に前線に上がり、チャンスをものにするFWとしての得点能力の高さを示した訳だから、MVPは相応しいと思う。本人も、チーム事情でCBを任されたものの、やはり心はFWなんだと思う。

 安藤さんはFWの印象が強いけれど、サイドのMF、DFやボランチもこなしていたから、サッカー頭脳がとても高いと言える。それでも、最終ラインをまとめるCBはなかなか簡単ではない。チームのためにCB転向を受け入れ、結果的に初優勝させてしまう実力は素晴らしいと思う。有名な話だが、今は筑波大学の助教もしている。40歳でますます進化している安藤梢選手に今後も大注目したい。監督にとって、これだけ多くのポジションを任せられる選手がいたら、本当に心強いだろうな。
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