病院の不思議(2022.9.16)

文字数 314文字

 調子が悪くて病院に行ったのに、僕より調子の悪そうな人ばかりで、何だか申し訳なくなり、大して調子が悪くない気がして、胃薬を処方してもらって帰る。健康ではないかもしれないが、病気でもない。ところが一歩外に出ると、僕よりも調子の良さそうな人ばかりで、何だか気弱になり、やはり調子が悪いような気がして、処方された胃薬を早速飲む。病気ではないかもしれないが、健康でもない。
 病院と外の間。僕の立ち位置はそこら辺らしい。
 その昔、腰が痛いと訴える祖母を整形外科に連れて行くと、医師に「どうですか?」と聞かれ、「大したことないのに、孫が連れて来てくれて」と言い始めたことを思い出した。医師を前にすると、強がってしまうのは祖母の遺伝のようだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み