『女のいない男たち』村上春樹(文春文庫)(2023.4.23)

文字数 548文字

 映画「ドライブ・イン・マイ・カー」原作を含む短編集。高校生の頃から村上春樹を読んでいるが、熱心な読者ではない。でも、不定期的になんとなく読みたくなって読むから、軽い中毒なのかもしれないな。相変わらず村上春樹は村上春樹だ。文章もテーマも登場人物も。村上春樹に似せた小説家が現われては消え、現れては消えて行った中で、こうして本人が村上春樹であり続けるのは凄いことだと素直に思う。友人の中にはハルキストとアンチがいて、僕のようにどちらでもない中途半端な読者はどちらからも相手にされない。かっこいいなぁ、と思う時と、しつこいなぁ、回りくどいなぁと思う時があるのは、僕の精神状態によるのだろう。だって、村上春樹はいつでも村上春樹だから。

 さて、本短編集についてであるが、特に感想はない。感想がないからと言って、時間を無駄にしたという思いはなくて、とても楽しませてもらったけれど、それ以上の「何か」を感じ取ることはなくて、村上春樹を読んで誰かに「何か」を語りたくなったことはないのだ。ただ、冒頭にも書いたように、不定期的になんとなく読みたくなるのだから、自分でも不思議に思う。それが、僕の村上春樹に対する距離感である。

 死と取り残された感、そして謎、男女、音楽。
 村上春樹ワールドを堪能させてもらいました。
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