アーティゾン美術館(2024.2.12)

文字数 674文字

 アーティゾン美術館で「マリー・ローランサン~時代をうつす眼~」と「石橋財団コレクション選~野見山暁治~」を観てきた。

 マリー・ローランサンは淡い色合いがきれいで可愛らしいので、いつものことながら女性が多かった。多くの絵画が写真OKだったので、皆さん熱心に撮られている。コアなファンが多いんだなぁ、と改めて思う。何度観ても、女性を描いた色合いが絶妙でオリジナリティを感じる。白い肌を施したという共通点はあるが、藤田嗣治とは違い、温かさを感じる「白」だ。時折、犬が描かれたりするのが、ワンポイントとして効いている。藤田は猫のイメージ。そう考えると面白い。

 ほとんどの人がマリー・ローランサンを目当てに来てるのだと思うが、僕の目的は野見山暁治だった。新たに所蔵した3点は初展示で、石橋財団が所蔵する7作品が並んだ。ローランサンと違い、観て直ぐに「いいなぁ」と思う絵画ではない。「念」みたいなものは感じるのだが、正直分かりにくい。ところが、中央に置かれたベンチへに座って7品目を見渡したら、何だかとてもいいのだ。野見山暁治は大きな絵画が多いのだが、鑑賞する距離感が大事なんだと改めて思った。何がどういいのだ、と説明を求められると困ってしまうのだが、何だかとてもいいのだ、としか言えない。これが芸術の力なのだろうか。野見山作品をまとめて観られて良かった。

 東京駅八重洲口から近いので、是非ともおススメしたい美術館だ。所蔵コレクションも素晴らしく、ピカソ、ゴッホ、セザンヌ、モネ、ルノワール、クレー、ミロから青木繁、藤島武治、草間彌生などなど。観応え十分だ。
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