『地下に在り』三浦志郎(純和屋)(2024.2.15)

文字数 341文字

 詩誌MY DEARでお世話になっている三浦志郎さんの最新詩集。
 
 読み始めると、段々と不安になる。
 果たして、これは詩集なのか? あるいは小説なのか?
 読み進めると、段々と分かる。
 詩でもあり、小説でもある。
 詩でもなく、小説でもない。
 要はどっちでもいいのだ。 読者が決めればいいのだ。
 僕は詩小説と理解した。

 どうして、三浦さんが詩小説を書けるのか? 
 それは詩人の才だけでなく、圧倒的な文章力があるから。
 両方の能力がなければ難しいだろう。
 その点で言うと、非常に稀な「作品」だと思う。

 青春、戦争、推理、歴史、家族。
 ないのは恋愛くらいかな。
 ストーリーテラーとしての実力も十分。

 読み進める程に、三浦さんの狙いというか挑戦が感じられて、どんどん面白くなる。そんな作品だ。
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