すごいぞ、チューブの君(2023.3.2)

文字数 498文字

 何やら、右手人差し指の先が痛む、と思ったら、パックリと切れている。紙かな? だけど、思い当たる記憶はなし。ずっと、パソコンで仕事していたから。随分前に切れていて、今頃になって痛みを感じたとしたら、僕の神経が切れているのかもしれない。単なる鈍感力、単なる加齢という説も浮上する。おそらく、全てだ。
 
 絆創膏を求めて総務部を訪れると、それよりこっち、と渡されたのがオロナインH軟膏。えっ、まだ売っているんだぁ、と懐かしい再会を喜び、総務部長には逆らえないので、絆創膏ではなくチューブを押して塗り付ける。だけど、昔に比べて免疫力も回復力も落ちているから、効かないかもしれない、と一抹の不安を抱えながらデスクに戻る。

 ところが、ところが。

 数時間したら傷口はきれいに回復し、「切れていた」形跡を探すのが難しいほどに。すごいぞ、オロナインH軟膏。僕は年を取ったけど、君は現役バリバリなんだな。おかげで、自分の回復力に少し自信が持てた。嬉しいから、帰りにドラッグストアで購入するよ。みじん切りに挑んで、時々切ることがあるもので。今までは絆創膏を巻いていたけれど、これからはチューブの君に頼るから、よろしく。
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